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誘拐 (ちくま文庫) 文庫 – 2005/10/5

4.2 5つ星のうち4.2 163個の評価

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (2005/10/5)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/10/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 368ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4480421548
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480421548
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 163個の評価

著者について

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本田 靖春
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年4月15日に日本でレビュー済み
ありきたりの評言ですが、傑作ノンフィクションです。犯人小原保と刑事平塚八兵衛。この二人の息遣いが感じられます。リベラルのナイーブで単細胞なウェットな理屈(犯罪は社会悪のせいだという例のヤツ)とは違う、ドライな記述に引き込まれました。
『私戦』『私のなかの朝鮮人』と並ぶ本田靖春の代表作です。必読。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吉展ちゃん誘拐事件のことは私は小学生だったと思いますが覚えています。
最近のジャーナリズムは大戦の時の大本営発表(大嘘)みたいです、他と違う事を言えないような情報操作とまでは言いませんが、全社右方向から光を当てているけど誰も左からは当ててない様な、その点本書はトータルにできる限り細かく調べた印象です、なので面白かったです。
2022年11月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学のレポートの資料として購入しました。読み進むにつれ、引き込まれていきました。
注文すると、すぐ到着したのですぐにレポートに取り掛かれました。
とても綺麗な状態で送っていただき、感謝しております。
2018年10月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
身代金目的の誘拐事件はすっかり聞かなくなった昭和の響きがする
吉展ちゃん事件は昭和のさらに昭和、当時と今では風景がほとんど一致しておらず
本だけではイメージができないが、いい時代なもので私も驚いたのが
youtubeに犯人がよくいたという清香や身代金が置かれた品川自動車(上野なのに品川)など貴重な映像(NHK)を視聴できる

小原の遺骨は小原家の墓には入れられず卒塔婆もないので土盛りに埋葬されましたが
以下の話は00年代の噂なので81年に出版されたこの本には当然書かれていないことですが
21世紀に入り保の長兄が小原家の墓を新しくした際に保の遺骨も一族の中に入れたそうです(割と最近ですね)
お墓に保の名前はないが入ったというのは地元では知られていて
しかし別段それで地域に問題視されていることもなく
反対した兄弟もいたかもしれないが、兄からすれば死刑囚でも弟のひとり。
実家に帰れなかった小原保は死刑執行から数十年の時間を経て21世紀になりほんとうの意味で家族の元に帰れたのかもしれない
小原保も吉展ちゃん同様に家族から愛されていたわけだ
このような話を知るとまた時の流れを感じられる事件でもあります
(誤解のないように書いておきますが、小原の兄弟は保が犯人の可能性があるとすばやく警察に伝えています。その経緯は本書にも書かれてある)

評価できない理由は著者について。吉展ちゃんの遺体が発見されたのは南千住にある円通寺ですが
当時マスコミの報道はものすごいものがあって、円通寺の近所に住む住民の家に記者が土足であがり込んで撮影をするなどしたと聞きました
住民によるとマスコミの中でNHKだけが後でハンカチを贈ってきたそうだが、他のマスコミはなんにもなし
この本にも吉展ちゃんの家族がマスコミに不信感を持っていて取材がむずかしいと書かれてある
著者も立派なマスコミの仲間のひとりなのに果たしてこの人だけはまともな取材をしていたのだろうか?
入念な取材をするという評判のわりには身内の問題には何故か触れていない
犯罪者を利用して本に書く。それを社会正義の代表者面してマウントをとる。冷静にみればハイエナと変わらない。

身代金目的の誘拐事件は今やほとんど聞かなくなった
これは紛れもなく昭和より今のほうが良くなったことの一つ
テープレコーダーありがとう
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年10月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
吉展ちゃん誘拐殺人事件。被害者、警察、加害者それぞれの立場が、よくもこれ程調べたと思うほど描かれており、素晴らしいノンフィクションでした。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今は、実際の取り調べの録音音声がYouTubeなどで聴くことが出来ます。小原を落とすまでの流れが若干違うところがあると思いました。
2016年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1963年の東京都台東区で発生した、
幼児誘拐事件の全貌を克明に記録してある、
ノンフィクションです。

文庫にして350ページ強ですが、
情報量は同じページ数の一般的な小説の、
5、6倍はあるんじゃないでしょうか。

休み休み読みましたが、
それでも一度に数時間、かなり読み進めたつもりでも、
残りのページが一向に減らないという読中の印象です。
ページ数に比例せず、
文字情報の量が尋常ではない一冊と思います。

読み始めの数十ページは視点の移り変わりが激しいので、
不慣れな人は、事件が動き出す前に、
本書を読むのが億劫になってしまうかもしれません。
しかし中盤以降の展開には、
月並みな表現ですが息をのみました。

著者に許された取材と執筆の時間が、
一年三か月であったというのも驚きです。

十年近い歳月を経た事件を
その約七分の一の時間で取材してまとめたわけなので、
それでこのクオリティを実現しているとは、
そんな風に感嘆しました。

事件発生から顛末までの警察内部の動向は、
極めて細部にわたって具体的に書かれています。
いずれの場面も舌を巻く取材力ですが、
中でも犯人と対峙する刑事の執念が記された終盤は、
ことさら凄まじいです。

読書、という観点からすると、
ノンフィクションは読み手を選びます。
友人に本書をすすめることはないでしょうが、
しいて言えば、
第三の時効や64などの横山秀夫さんの小説が好きな方には、
普段ノンフィクションを読まない方であっても、
おすすめしてみたいと思えます。

誘拐事件の真実に迫る経緯も衝撃的でしたが、
事件の全貌とその背後に潜んだ社会問題や時代性をも、
完全に丸裸にしている取材力に脱帽の一冊です。
33人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年12月14日に日本でレビュー済み
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NHKラジオで推薦されたノンフィクション作品の一つ。かなり古い事件なので、若い人はその時代背景がピント来ないかもしれないが、
戦後日本が、高度成長期に突進しようとする時に東京という陽の当たる発展の象徴下で起きた誘拐事件。犯人はその陽と対照的な陰となす
貧しい地方出身者であった。犯人逮捕までの詳細なルポのみで終わらず、寒村出身で、ハンディを負った犯人にも多くの筆を割き,
逮捕後の獄中では短歌にこころを捧げ、深い反省心がにじみ出た歌には涙を禁じ得ない。しかし死刑は免れなかった。人が人の罪を裁き処刑することの矛盾を思わずにはいられない。 未だに我が国は世界中で数少ない死刑実施国の一つである。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート